第二章・日常は喫茶店から

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噂には尾ひれが付き物である。 幽霊を引き連れている人になりかけていたロゼットの噂については、フェンが話しかけて勘違いを訂正した。 とりあえず変な噂が広まることはないだろう。 まあ、ロゼットについては道の真ん中で使用人たちに囲まれているところを目撃されている事例があるため、訂正しなくてもすぐに勘違いだと気付かれただろうと思われるが…… ……とまあ、このように喫茶店では『噂』を聞くことができるのだ。 受動的に聞き耳を立てていてもいいし、もちろん自分から噂を聞きに行ってもいいだろう。迷惑でなければ。 「それにしても、ロゼットちゃんが幽霊を引き連れてるって……中々斬新な勘違いだねぇ……」 「確かに、ロゼットさんの使用人さんたちはどこからともなく現れますけど……」 ロゼットの執事や使用人たちは、ロゼットに何かあるとどこからともなく現れることが多い。 その気配は、少なくとも鈍感なマグナや優秀ではないフェンが察知できるものではなく、正しく突然現れると言って差し支えない。 そこまで気配を消せるなんて、あの人たちは一対何者なんだろう……フェンはそう言おうとしたが、あまり気にしない方が良いのかも知れなかった。
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