第二章・日常は喫茶店から

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「うーん、せっかくだからさ、自分たちから噂聞きにいかない? 他にも面白い噂あるかも!」 フェンが瞳を輝かせる。彼女は面白いことが大好きだった。 「ふふ、いいですね。カイトさんもいませんから、暇になってしまうところでもありましたから」 「よし、決まり! あの、少しいいかな?」 フェンが近くの席に一人で座っていた男性に話しかける。 「ふむ…私に何か用かね?」 その人物は顔を上げ、フェンの方を見た。髭がよく似合う老紳士という印象を受ける人物で、人柄はかなり良さそうだ。 「最近、この辺りで何か変わったこととかあったりしませんでした?」 「最近か……そういえば、ブラウ海岸の東の方に、中型の船が漂着したと聞いたよ。なんでも、持ち主は不明だとか」 男性は思い出すようにしながら、噂を教えてくれる。
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