第二章・日常は喫茶店から

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「……着きました。ここですね」 あの後すぐに依頼を受け、都市を出て歩くことしばらく。二人は漂着した船のもとへとやってきていた。 「他の船の邪魔にはならなさそうだけど、街道から近いね。早めに処理しよっか」 船は思ったより街道から近く好奇心から近寄ってしまう人もいそうだが、カンパニー職員が先に調べているため危険はないだろう。 「うーん、思ったよりは小さいねー。そしてほんとにボロボロ!」 大きめのボートに、船の左右から入れる扉付きの部屋を1つ乗せたかのような見た目のその船は、噂通り浮いてここまで辿り着いたのが不思議なほど朽ちていた。 「……ねえ、念のためあたしたちも調査してみない?」 「せっかくですし、そうしましょうか。では、足場を地の魔法で補強してみます」 マグナは小さくこくりと頷くと、地の魔法を唱える。船の足場を一時的に頑丈にして、通る部分が崩れないようにした。 「これで乗り込めます」 「よーし、いくぞー!」 二人は足場から外れないように気を付けつつ、船に乗り込んだ。
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