第二章・日常は喫茶店から

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「すごい! こんなこともできるの!?」 「えへへ。ありがとうございます。石や岩など地に関するものであれば、大地に語りかけることで、同じ材質を呼びよせることができます」 マグナは少しはにかみながらそう答えた。岩を召喚したり操作したりする魔法の応用で、単に対象を同じ材質1つに絞っただけではあるが、かなり器用な芸当ではあった。 「これ、ハーフストーンだ!」 ハーフストーンは、ハーフェンの磯にある岩石の一種のことである。半分に割れやすく、割ると長方形になるという特徴を持つことから、時折看板などに用いられる。 「はい、私もそう思います。ということは、これはハーフェンの船でしょうか……?」 「その可能性が高いねー」 脆い故に大量輸送が難しく、ハーフェン以外ではあまり使われないことから、この船がハーフェンのものである可能性は高かった。 「これ、前調査した職員は見逃してたかもねー。お手柄だ!」 「ふふ、そうですね」 ガッツポーズをしてはしゃぐフェンに、マグナも嬉しそうに微笑んだ。
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