第一章・曖昧な職員たち

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「さ、今回の依頼の概要をもう一度お復習(さらい)すんぜ」 カイトは歩きながら依頼書を広げ、概要を説明する。 「今回の依頼は、付近の薬草の小群生地にコボルトが巣を作ってしまったために、その掃討を頼みたいとのことだ。出発は今日を指定されている」 「それと、そのせいで薬草が採取できていないので、ついでに採取もお願いしたい……でしたよね」 「その通りだ。そういうわけだから、戦闘が得意で、おまけに採取の知識もあるお前さんに依頼が来たって訳だ」 マグナはカンパニーにおいて、『戦闘課』に所属している。文字通り戦闘をメインとする部署であり、カンパニーの花形業務とされている。 マグナ本人は本来は採取課を希望し、その知識もあったのだが、彼女はその戦闘能力から、最終的には戦闘課へ所属することとなった。 故に戦闘課でありながら、採取課としての知識も持っているのである。
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