第二章・日常は喫茶店から

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揺らめく不死鳥の炎の中に颯爽と駆け込んで来た人物は、フェンの知り合いだった。 ダークブラウンの無造作ヘアに、カンパニー制服の腕の部分をまくり、ところどころ赤色の装飾を身に付け、両手剣を構えた勇敢な後ろ姿。 「もう安心だ。あとはオレがブッ飛ばしてやるからよ!」 「アーディくんっ!!」 彼の名は「アーディ=ホーキンス」。20歳のフェンより3歳年下であり、また戦闘課の職員であるため一応部下のようなものでもあるが、お互い敬語を使わない程度にはフラットな関係であった。 正義感が強く優しい熱血漢であり、困っている人を見過ごせない性格と、フェンより遥かに高い剣技の実力で、比較的新人でありながらとても信頼のおける少年であるというのが、フェンの評価だった。 以前にも同じクエストに同行していたマグナを助けてくれたらしく、彼はまさにヒーローのようでもあった。 「はは……助けられてばっかりだねぇ……」 「そのセリフは助かってから言えよな……よし、敵の情報を教えてくれるか?」 「もちろんっ!」 フェンは心強い助っ人の登場により、再び元気を取り戻すことができた。
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