第二章・日常は喫茶店から

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直後、ゴブリンが飛びかかり、恐ろしい速度でアーディの首もとへ迫った。 「来たな……勝負だ! 奥義、『猛龍煉牙斬(もうりゅうれんがざん)』!!」 凄まじい炎を纏った強力な袈裟斬りが、ゴブリンに振り下ろされる。 炎に浮かぶ二つの斬撃は、交差して…… 「は……外れたっ!」 アーディの斬撃は、空を切った。彼の斬撃は狙いが甘く、空振りすることが多かったのだ。 フェンはゴブリンが飛びかかったときから横から攻撃しようとしてはいたが、あまりに遅く、全く間に合いそうにない。 「ダメだ、間に合わない……アーディくんっ!!」 アーディの首もとに、短剣が迫り……そしてアーディは、ふっと笑った。 振り下ろした両手剣が、戻ってきていたのだ。 ゴブリンは咄嗟に短剣でガードしたが、斬り上げられた両手剣の重量によって短剣を弾かれてしまう。防御手段を失ったゴブリンにさらに打ち上げる斬撃が続き、体勢を崩したゴブリンに、トドメの突きが放たれた。 奥義『猛龍煉牙斬』は、3段斬りから突きを放つ、4段攻撃だったのだ。咄嗟にこの技を使う判断が出来たのは、彼のセンス故だろう。 「……すごい」 ゴブリンは炎の中へ倒れ伏し、動かなくなった。その勇ましい剣技に、フェンは見惚れていた。 「ふう……さあ、炎が広がる前に脱出するぞ!」 「……あ、う、うんっ!」 フェンはアーディの言葉で我に返り、急いでマグナを背負い、共に船を脱出した。
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