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「さて、これで遅刻は今月二度目だな」
「遅刻はしてるけど、サボってはないよぅ……」
彼女にとって、遅刻はサボりには含まれない。到着した後はちゃんと仕事をしている、という言い分だ。
「遅刻してるんだから、誰かしらにゃ迷惑をかけてることになるんだ。きっちり謝っておきな。にしても……シャキッとしろよな、フェン。そんなんじゃリンクのことも笑えないけど、いいのかい」
「あたしあんなにさぼってなあい……遅刻するだけで、ちゃんと仕事はしてはいるし……」
寝ぼけ眼でうとうとしながら反論をする彼女の名は、フェン・ニグルという。
元採取課であったが、少し前にカイトと同じように総務課に異動になった人物。
採取課志望でカンパニーに入り、熱意を持って何度も活躍し、複数の採取課と同時に依頼に赴いた際はその積極性からリーダーシップも発揮していたことから、それらの能力や熱意を買われ総務課に異動になったのだが……
「だいたい、総務課の仕事なんてやる気でないよー……採取課の仕事やらせてよー」
このように、総務課の仕事については全くやる気がないらしく、以前の面影は全くなかった。
「おいおい……」
「いつもと変わりませんね。えへへ」
マグナは、そんな彼女を見て嬉しそうに笑った。彼女にとってはこれはいつもの日常で、フェンの姿はいつもと変わらず微笑ましいものだったのだ。
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