第一章・曖昧な職員たち

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採取課志望だが戦闘課になったマグナと、採取課志望だが総務課になってしまったフェンは、自然と仲が良くなった間柄である。 時間が合わないことも多く頻繁に一緒にいるというわけではないが、仕事が一緒になったときはこうして早めに集まって共に話したりすることもある。 また、特別望んだわけでもなく総務課に異動させられたという点からか、それともカイトが世話を焼かずにはいられないからか……カイトとフェンも仲はどちらかと言えば良い方だ。 「それにしてもー。これでロゼットちゃんがいたら面白かったのにねー」 フェンはそう漏らす。 「志望と別にされた組、ですか……ロゼットさんが聞いたらきっと怒りますよ?」 「けど、ロゼットちゃんの納得いかないとちゃんと示す姿勢は結構尊敬してるんだよねー。ほら、あたしって、逃げてばっかだからさぁ……」 「そうわかっているんなら、真似してみてもいいんじゃないかい」 「す、すぅー……」 「あっ、寝たフリです。ふふ」 マグナは寝たフリをしたフェンの頬を眺めて微笑む。
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