私の値段

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・・・ 「カット!」 静寂の中から生まれた一言によって薄暗い部屋にまばゆいばかりの光が立ち込めると、こんなに人がいたのかと思わせるほど活気だち、多くの人が私に駆け寄る。 「お疲れ様ですー!」 「素晴らしい演技でした!」 「今日の撮影はここまでです!」 私はその声に一つずつ丁寧に返事を返しながら、舞台端で私の活躍を見ていた人の下へと歩を進める。 目じりに涙を浮かべながら私を待っているその人の下へ。 「信じてくれてありがとう」 私の目いっぱいの感謝の気持ちを伝える為に・・・。
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