第4章 繋がり

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69 とらが変なんだ。…2 「い、医者に」 「医者?そんなに悪いのか?」 「わかりませんよっ。だから診せるんですっ」  夏目はクローゼットの引き出しからとらの診察券を取り出し、書いてある番号に電話を掛けた。だが、流れてきたのは機械的な声だ。 「ウソだろ」 「どうした?」 「今日の夜診は休みだって」 「はあ?どうするんだよ」 「俺に聞かれても……。あの、何か変わったこととか無かったんですか?変なもの食ったとか」 「知るか。ずっと見てたわけじゃねぇ。お前だってそうだろ」 「どうするんですかっ!」 「何キレてんだよ、お前は!」  彼らしくもなく取り乱した夏目に、廉司も声を荒げる。  大の男二人が怒鳴りあっているのに、当のとらは呑気な顔で今にも寝そうだ。 「ゴチャゴチャ抜かしたところで、俺達じゃ何もわかんねぇだろうが!」 「だからどうしたらいいかって言ってるんですよ!もし、このまま一生食わなかったら。とらにもしものことがあったら、一花さんが」 「一花?」 「あ……」
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