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69 とらが変なんだ。…2
「い、医者に」
「医者?そんなに悪いのか?」
「わかりませんよっ。だから診せるんですっ」
夏目はクローゼットの引き出しからとらの診察券を取り出し、書いてある番号に電話を掛けた。だが、流れてきたのは機械的な声だ。
「ウソだろ」
「どうした?」
「今日の夜診は休みだって」
「はあ?どうするんだよ」
「俺に聞かれても……。あの、何か変わったこととか無かったんですか?変なもの食ったとか」
「知るか。ずっと見てたわけじゃねぇ。お前だってそうだろ」
「どうするんですかっ!」
「何キレてんだよ、お前は!」
彼らしくもなく取り乱した夏目に、廉司も声を荒げる。
大の男二人が怒鳴りあっているのに、当のとらは呑気な顔で今にも寝そうだ。
「ゴチャゴチャ抜かしたところで、俺達じゃ何もわかんねぇだろうが!」
「だからどうしたらいいかって言ってるんですよ!もし、このまま一生食わなかったら。とらにもしものことがあったら、一花さんが」
「一花?」
「あ……」
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