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「……今週の水曜日は誘いを断りました。来週も断ります。その時座談会にはもう出るつもりはないって伝えます。それで編集長とあたしはもう終わり。……好きだったんだけどなあ。スマートで優しくて。謎が多いところも素敵だなんて思ってた。アホですね。あたし、『ティッシュ』だったから」
「『ティッシュ』? なにそれ」
「性処理用のモノ食うティッシュです。あ、鈴さん、知恵を貸して下さいよ! キッチンカーでお昼を買うとしたら、何が食べたいですか? テイクアウトです。会社に持って帰って食べるとしたら、どんなものだったら嬉しいですか……?」
あたしと鈴さんはノートパソコンの前でふたりで悩む。ビール片手に。あれがいい。これはどう? それじゃおっさんしか喜ばないでしょ。ボリュームないと昼から働けないじゃないですか。
ふたりで並んでああだこうだと考える先には、あたしの未来。もう振り返らない。ばいばい編集長。あたしは食べ物の世界で生きていく。
鈴さんと愛佳ちゃん。あたしの目を覚ましてくれたこの大切な友達を大事にして。
これからあたしは新たな世界を、築いていくんだ。
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