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わいわいと、子供達が行き交う中。
オリビアとテオルはベンチに座ってくつろいでいた。
「たまにはいいかもな」
こういうのも…。
「そうですね、マスター」
夜風が吹き、オリビアの頬を撫でた。
その瞬間。何かに気づく。
オリビアの目が、街の外へと注目した。
低い声がする。
「………」
テオルも当然気づいた。
「……テオルはここに居てくれ」
みんなに何もないように。
「わかりました」
オリビアは、すっと街の外へ出た。
駆けた先に、ワーウルフの群れがいた。
ワーウルフか。
オリビアは自分の衣装が、狼男だったことが、少し可笑しかった。
ワーウルフは、オリビアに気づいた。
飛びかかってきた1匹を、オリビアは足で跳ねのけた。
「殺しはしない。今日はハロウィン。子供達が楽しんでるんでな」
続けざまに、2匹、3匹と襲ってくる。しかし、ワーウルフごとき、オリビアの相手にはならない。繰り出される足技に、ワーウルフの方は成すすべもなく、倒れていく。
群れのリーダーは、力の差を知り、退いていった。珍しいことだ。
オリビアは、群れが下がりきるまで見届けた。
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