SECHS1短編ーハロウィンは大変だー。

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「遅いよ」 「ごめん、レッチェ!」 場所は地球から変わって、ここはレイを熱源として構成を成している6惑星の1つ、レガント星。そのレガント星の1部地域の熱帯地方に拠点を置き、ギルドを任されているのが、このチームSECHSだ。その名の通り、メンバーは6人。 そのメンバーである、レッチェと涼は、何やらごそごそと衣装を作っているようだった。 「わあ!凄いね、レッチェ!もうここまで進んだんだ!」 「だろ?こういうのは、任せろよ」 薄く青い神秘的な髪を、太ももまで伸ばしたレッチェは、青白いくらいに白い肌をしている。涼と2人でいるときなどは、女の子どうしがじゃれているようにも見える。 レッチェは、自分の部屋から持ち出したミシンをリビングにまで持ってきて、布を広げている。 「オリビアと、テオルの衣装はできてるぜ。あと紅ももう少し。レディアちゃんはなー、採寸がそもそも…」 ふんふん、と相づちをうちながら涼も衣装作りに参加していく。 「ところで、それ何?」 レッチェは、涼が先ほどお店で買って、拠点に持ってきた袋に着目した。 「ピンクのハートマーク付きの紙袋なんて、涼ちゃんらしくないじゃん」 むしろ、嫌いだろ?とレッチェは言わんばかりだ。 「別に。こういうのは女の子が持つから可愛いんであって…」 「涼ちゃんだって、十分…」 「何だよー!」 言うより先に、涼は遮った。 そして、袋からあるものを、取り出して、レッチェの頭に被せた。 「?何これ?あ!猫耳じゃねぇか!涼~!」 「いいでしょ?レッチェは絶対猫の格好が似合うと思って」 「違うって!涼にしてほしかったんだよ!俺は!だいたい涼は、何するんだよ?」 「俺?俺は、これ!」 そう言って、涼はマントを身につけ翻した。 「吸血鬼!えー!似合わねー!」 「いいだろ!」 「ったく。しょうがねえなあ」 レッチェは、そう言いながら止まっていた手を動かし始めた。猫耳はそのままで。
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