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「涼こっちだよ!」
「レッチェ!」
涼は家から吸血鬼に着替えてきていた。
「可愛い~似合ってる」
「んだよ」
レッチェは涼が買ってきた猫耳をつけて、黒猫のしっぽをして、白いシャツを出し、黒でまとめている。
「オリビアも、可愛い」
青いワンピースに白いエプロンをつけて、レディアはオリビアと腕を組んだ。
「俺は耳を着けただけだぞ?」
そうは言っても、クリーム色の所々破けたシャツ。サスペンダー付きのグリーンのパンツ。どれも彼らしくはなかった。
「見てみて!涼ちゃん!」
「あっ!可愛いよ、紅」
紅は赤い大きめのベルベットのずきんを被って、黒いワンピースを纏っていた。
そして。
「テオル…苦しくない?」
「平気ですよ、涼」
身体を包帯でぐるぐる巻きにしているテオルは、それだけではと、白いマントを羽織っている。
「じゃあ、みんな行こー!」
紅の呼び掛けで、みなは、夜のサイフォンへと繰り出した。
「夜って何だか楽しいよね」
紅は、嬉しそうにしている。
「あんまりこの時間にうろうろしないもんね」
「いい子ちゃんだな、涼ちゃんは」
「えー?」
SECHSの年下組はきゃっきゃと話ている。
もう3人もまだ年の頃でいえば18歳だ。テオルだけは、自称18歳だが。
それでも、SECHSの年上組としては、下の子達の面倒見は良い。いや、良すぎる仲だった。
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