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「こっちには何も無かった」
「こっちには食料とガソリンが少しずつあった」
段ボールとガソリンタンクを持ったB班。私達のA班は特に何も見つからず、弾を使っただけだった。
「A班の方で銃声がしてたけど、大丈夫だった?」
「カクが対処してくれたから大丈夫」
B班のヒスイさんが心配してくれるが、笑って返した。
「その割りには、血が出てるが?」
「痛いって……」
ルリに腕を捻り上げられた。肩には少量の血が出ていた。大した怪我ではないのだが、ちょっとの事もルリは見逃してくれない。
「ヒスイさん、手当てしてやって」
「あいよ。ほら、肩出して」
「ん」
上着を脱いでシャツだけになる。化け物に押し倒された時、軽くどこかに擦ってしまっただけだ。
大した怪我ではない。
「はい、OK」
「ありがとうございます」
「どういたしまして。それじゃ、皆で見つけたのを積んで行って」
ヒスイさんの指示で皆が動き出す。私も手伝おうと動こうとする。だけど、誰かに手首を掴まれる。
振り返るとカクが立っていた。
「アイちゃんはやらなくて良いよ。俺がしとくから」
「あ、ありがと……。気にしなくて良いのに」
「気にしちゃうからやる」
それに笑ってしまうが、カクに任せる事にした。そして皆の後ろをついて行く。でも少し立ち止まり、自分の腹部の辺りに視線を向けた。
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