一番会いたくなかった人

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「そうそう」と言った店長を間にはさんで自己紹介をし合い、彼女が高校三年生で末浦 明日美さんという人だと知った。高校一年生の時からここで働いているらしく、わからないことは彼女に聞いてね、と店長に言われる。 「あとは……」 「律? 律なら、レジ入ってますよ、今」  辺りを見回す店長に、明日美さんは親指を売り場のほうに立ててそう言った。 「ちょうどいいな。アイツにも新しい子が入るっていうのは伝えてあるからさ、とりあえず姫野さんもレジに入って、今日のところはどんな仕事なのかを知ろう」  そう言って私のほうへ向きなおった店長が、 「そういうわけだから、よろしく」  と、笑顔を見せた。 「……え?」  トントンと進んでいく会話に、私はただ唾を飲んで眺めていることしかできず、この場の空気を止めてしまう。  すると、明日美さんがすかさず、 「返事」  と言って私を見た。  ちょっと厳しめな口調に、 「は……はい」  と、ひるみながら返す。 「“よろしくお願いします”!」 「あ、は……はい、よろしくお……お願いします」  
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