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整然とDVDやCDやコミックが並ぶ陳列棚。奥に長い店内の一番手前、入口の自動ドアの一番近くにレジカウンターはあった。背後にスタッフルームへの白いドアがあるレジカウンター内は、ふたり入るとけっこう狭い。
斜めうしろにいたから気づかなかったけれど、面と向かうと思ったより距離が近くて、私は心の中で悲鳴を上げながら後退りをする。
「ひと言も話さないし」
「……や……あの……」
私の様子に呆れたような目をした央寺くんは、腰に手をあてて見下ろしてきた。中学校から私の身長は変わらず低いままだけど、央寺くんはあの頃に比べてだいぶ高くなっているからか、威圧感が半端じゃない。
「とりあえずさ、ここに立っている以上は、お客さんにとっては店員以外の何者でもないんだから、“いらっしゃいませ”と“ありがとうございました”だけは言ってくれる?」
本当に……央寺くんだ。サラサラの黒髪も、切れ長の目も、小さな泣きボクロも、大きめの口も……。
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