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「ていうか、やっぱり和奈はさ、ちゃんと自分で意思表示できるようになったほうがいいわ。なんか痴漢にあっても、触られっぱなしで何も言わなさそう」
「やだな、その例え。私みたいなチビで地味なメガネ女、そんな心配ないよ」
「そういう子が狙われるのよ」
「……ハハ」
その場をしのぐように笑って誤魔化すと、頼子は、
「ホントに心配してるんだけど」
と、私の眉間を人差し指で押した。私は笑いながら「大丈夫だよー」と返した。
「そういえばさ、バイト、明日からだったっけ?」
「うん」
お弁当のアスパラベーコンを口に運びながら返事をする。
私は十一月に入った今月から、週末だけバイトをすることになっていた。買いたい本がたくさんあるからという理由だけれど、部活にも入っていなければ友達も頼子しかいないため、することがなくて時間が余っているということもあった。
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