一番会いたくなかった人

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「まぁ、それで多少はその性格も改善できたらいいわね」 「でも、お店の奥の倉庫で作業をするだけだから、基本ひとりで黙々と仕事をする感じなんだって」  それを聞いて、パックジュースを絞るようにして飲み切った頼子が、 「和奈、それ、そういうとこ選んで面接行ったんでしょ」  とじとりとした視線で見てくる。 「へへ」  当たり前だ。人前に出るようなバイト先なんて、消去法で真っ先に候補から外していった。 「あーあ、改善する気ゼロじゃない。まぁ、お店の人とのコミュニケーションで多少はよくなるかもだけど」  窓の外では中庭にある銀杏の葉が黄色く色付き、それをつむじ風がハラハラと舞わせながら落としている。私はそれを見ながら、去年も同じような光景を見たな、とぼんやり思いながら、 「まぁ……そこは、頑張るよ」  と、口先だけでそう言った。      
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