第一章 目隠しは誰がした?

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「お前こそ占いを神格化してんじゃねえよ! いいか、占いは占いだ。天気予報程度と思って参考にするだけだ。それが人生のすべてじゃないんだ。それはわかるか?」 「わ……わかりますよそのくらい! べつに依存してるわけじゃないし、ちゃんと自分の意思を尊重して人生の選択をしますよ!」  とは言ったものの、今の自分はとてもじゃないが自分の意思など存在しない。占いでどうにかいい方向へ転がってくれないかと切に願っている。 「それともう一つ気に食わねえことがある!」 「何ですか」 「お前今、気に入らない結果が出たらまた他の人に占ってもらうって言ったな!」 「ああハイ、占い依存になっちゃうんですよね? ハイハイ、わかりましたスミマセン」  面倒くさいので適当にあしらう。 「それもあるが、俺が言いたいのはそれじゃない。お前がハシゴしてまで聞きたいことってのは本当は何だ? その人とどうなるかじゃないだろ? お前が本当に聞きたいのは、どうしたら自分の願いを叶えられるかっていう方法なんだよ!」 「べつに願いなんか……。私はその人とどうしても付き合いたいわけじゃないんです! 本当にわからないんです! その人にとって私は何なのか! 私にとってその人は何なのか――」     
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