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ずっと握っていた玲子の手の感触は、ひどく弱々しい。玲子に思いは届いているのだろうか。不安に押し潰されそうで、夏輝の頬を涙が一筋伝う。
「ていうか会って! 絶対会って! 黙っていなくなったら許しませんからね! 浅田さんと二人で家に押しかけますから! ビール持ち込んで勝手に飲んじゃいますから! そうなったら困るでしょう!?」
肩で息をする夏輝の手を、玲子が強く握り返した。
「困らない。それ、楽しそう」
涙を浮かべて笑っている。
「あ! 待ってやだ、東城さんもいるんだから飲むなら浅田さんちにしましょ。あそこなら家は大きいし、食べ物も――」
「夏輝ちゃん……っ」
いつも凛として、美しくて、それでいて朗らかな玲子が、泣き崩れた。
そっと、玲子を抱きしめる。前にここで慰めてくれたように。玲子がつらいときには、支えてあげたいと思っていたから。
「前に言っただろ。お前ら逆位置夫婦じゃ敵わないって」
浅田が腕組みを解いた。
「言っとくけど今のこいつ、絶好調の〈太陽〉正位置だからな」
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