14人が本棚に入れています
本棚に追加
それが何だかとてもかわいく、愛おしい。
「やっと言ったね浅田さん」
「お前こそやっとわかったか」
「浅田さんがいつも一言足りないのよ。多いのも困るけど」
「お前本当うるせえっ」
「ねえ浅田さん」
腕に軽くしがみつく。
「……何だ」
浅田は一瞬驚いたようだが、嫌がりはしない。
「また占ってください」
「今度は何が知りたいんだ?」
夏輝はさらに腕を絡ませた。
「私たち四人が、末長く仲よくやっていくための心構えを知りたいです」
「四人?」
腕を組んでくっついているから、見下ろした浅田の顔がいつもより近い。
「東城さん入れたら四人でしょ?」
「はあっ!? 何で東城なんかと……っ」
「だって玲子さんのダンナさんだもの。これからは会う機会も増えるでしょ? 四人で一緒に遊びに行くかもしれないし」
「四人で遊ぶのはダメだ!」
「えー、浅田さん器小さいー。もう大丈夫ですって。仲よくやれると思うけどなあ」
頭上から浅田の苦悩するうなり声が降ってくる。
「〈太陽〉が本気出すとすげぇな……。いや、みんなまとめて円満にしてしまうパワーはもはや〈世界〉の域か?」
「そうだ! 浅田さんちで飲み会しましょ。飲んで、食べて、しゃべって、部屋数多いんだから、そのまま泊ま――」
最初のコメントを投稿しよう!