第一章 目隠しは誰がした?

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「最初は仕事運。二回目は会社の対人関係。三回目は漠然と今後の運勢。あんたが知りたいのは本当にそれか?」 ――なに、この人。さっきから人の気持ちに土足でずかずかと。 「それに占う側もあれでプロか? 〈世界〉が出れば何でもかんでもハッピーエンドだと思ってやがる。その後に出たカードとの流れを見れば、そうじゃないことくらいわかんねえのか」 「え、ちょ……っ」  まさかこの男―― 「ったく、お前みたいに本音を見せない女はかわいくねえよ」 「はあっ?」  一瞬抱いた浅田への興味は、すぐに怒りに塗り替えられた。 「あんた、後で俺の部屋に来いよ」 「はあっ? 何で……っ」 「他のじいさんたちに見つからないようにな」 「何考えてんですか!? 私絶対に行きませんから!」 「アホ、勘違いすんな。そういうんじゃない」
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