第二章 逆位置の〈太陽〉

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「……未来は、変えられるんですね?」 「変えられる。だからこれから俺が言うことを意識すれば、今は救いようがなくても――」 「もうちょっとマシな言い方をしてください」 「すまん」 「でもわかりました! いざ、助言をお願いします」 「これを見ろ」  縦一列に四枚並んだうちの、上から二番目が指される。 「これはお前への助言、これからやるべきことを教えてくれる。対策カードだ」  夏輝はカードのポジションを見て、「え、でも」と反論を始めた。 「そのポジションって、本には『希望と恐れ』って書いてましたけど」  浅田が面倒臭そうに顔をしかめた。 「お前あれだろ。タロット本を中途半端に読み漁って知ったかぶりするタイプだろ」  たしかに中途半端な知識しか持ち合わせていないが。 「何冊も読み比べるとわかるが、カードの並べる順番や各ポジションの意味なんてのは、本によってバラバラだ。特にケルト十字はその最たるものだ」 「何冊も読み比べたんですね。浅田さんって意外と勉強熱心……。あ、ほめたんですよ?」  気恥ずかしいのか、ギロリと浅田ににらまれる。 「じゃあ、どれを信じればいいんですか?」 「自分とカードを信じればいい」     
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