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「お前は本来、〈太陽〉の正位置なんだよ」
「どういうことですか?」
「このはだかんぼみたいに、無邪気で天真爛漫」
無邪気で天真爛漫……。たしかに昔は、男の子を子分にして昆虫採集に出かけたり、毎日大声で笑っていたりと、我ながら生命力にあふれた子供だったと思う。少なくとも社会人になるまでは、そういう気質だったはずだ。
「お前はこのはだかんぼみたいに、明るく元気に未来へ向かっていけば、でっかい太陽になれるんだ。周りを明るく照らし、あたたかさで包む。それが本来のお前の姿だ」
「本来の、私の姿……」
悩みなんてなかった頃の私は、毎日何を思い、何を考えていた人間だったか。もう、思い出せなくなっていた。でも――
「私が、〈太陽〉?」
「そうだ」
なぜだろう、浅田の言うその話は、ほのかな高揚を覚えた。
「じゃあ、逆位置の意味は……?」
「お前そこ、こだわるなあ」
今度はあきれたり怒鳴ったりせず、浅田はかすかな柔らかさを笑みに含んだ。夏輝が単なる知ったかぶりで言っているのではないと、察しているからだろう。
「周りのカードの影響を見て判断すると、この場合――この場合はだぞ?」
念押しされて、はいはいとうなずく。
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