第二章 逆位置の〈太陽〉

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「はい?」 「お前、また来いよ」  うっすら目を細めて夏輝を見ている。 「結果報告にですか?」 「いや……」 「あ、農作業の手伝いですね? いいですよ。収穫作業、楽しかったし」 「いや、それもあるけど。――メシ、食いにさ。俺一人じゃ食いきれん」 「いいんですか!? 嬉しいー! あれだけの野菜、買ったらいくらかかることか!」 「お前、畑全部食えそうだな」  浅田がくつくつと笑う。 「帰り、好きなだけ米と野菜持ってけ」 「ありがとうございまーす!」  その言葉に甘えて、夏輝は米と野菜をめいっぱい袋に詰め込み、浅田の家を後にした。 .
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