第二章 逆位置の〈太陽〉

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「顕在意識のとこに〈死神〉が出たぞ」 「ちょっと話変えないでくださいよ!」 「これも前回は逆位置だったが、正位置になったな。つまり本当にお前の中では今までの関係は終わって、再スタートしたってことだ」 「もちろんです!」 「ただし! これはあくまでお前が勝手に思ってる部分だ! ちょっと確認するが、お前、相手の男とはちゃんと話がついてるのか?」 「毎回誘いも断ってるし、毅然とふるまってるし、多分もう察してると思いますけど」 「はあ!? 多分って何だそれ! はっきり言わないと相手に伝わらんだろうが!」 「いつかちゃんと言います!」 「いつかだあっ!?」 「今度言いますってば! はい次行ってください!」  鼻息の荒い浅田を何とかなだめる。 「……現在に〈カップの3〉逆位置」 「どういう意味ですか?」  まだ浅田の眉間にしわが寄っているが、構わず質問する。 〈カップの3〉――三人の女性が聖杯を掲げて楽しそうに踊っているような絵――の逆位置となると、少なくともそのままの意味ではあるまい。     
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