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「楽しい友達関係とかグループ活動って意味――の逆位置だから、その関係が不安定になる、あるいは、楽しい関係が進みすぎて、甘えきった関係になるって感じだが……ま、この場合は前者だろうな」
意味がいくつもあるのに前者だと言い切るのは、きっと浅田が前に言っていた、周りのカードの影響を見て判断しているのだろう。浅田にはもう今度の夏輝のストーリーが見えているに違いない。
「あるいは……」
「いくつ『あるいは』があるんですか」
「三角関係、とかな」
ゾクッと背筋が凍る。
「おおおお脅かさないでください! 私はもう東城さんとはスッパリ縁を切って明るい人生を歩むんですから……っ」
東城とその妻と、三人で顔を突き合わすなんて事態だけは絶対に避けたい。
浅田からの反応がなくなった。あまり静かなのでそっと見ると、浅田は目を見開いて夏輝を見つめたまま、固まっていた。
「どうしたんですか?」
浅田は夏輝に何か言いかけたが、そのまま顔を下に向けた。ケルト十字を凝視している。
「ちょっと浅田さん! やだ何なの!? 怖いんですけど!」
片手で口元を押さえ、まだカードを見つめている。こんなに絶好調だというのに、一体どのカードが気になっているのか。浅田は低い声で獣のようにうなった。
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