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「現状にクロスするものに、逆位置の〈ワンドのクイーン〉……。〈ワンドのクイーン〉のようなこと、あるいは〈ワンドのクイーン〉のような人物が関わってくる」
「〈ワンドのクイーン〉ってどんな……?」
「大らかで、明るくて、天真爛漫で、性的な魅力もあって、簡単に言うとさっぱりしてわりとモテるタイプだ」
「あら、じゃあ私のことじゃないですか?」
「だといいけどな」
夏輝が口端を引きつらせて浅田をにらむ。
「だとしてもだ。だったら正位置で出るはずだ。逆位置ってことは『らしさ』が素直に出ていない、こじらせた〈ワンドのクイーン〉だ」
「じゃあ私違います。だって私今、すごくのびのびしてるもの」
「お前のことじゃない場合は、〈ワンドのクイーン〉のような人物が関わるってことだ。逆位置のな。……心当たりはあるか」
「うーん……、ない!」
陽気に答えたが、浅田は神妙な顔つきで見つめている。
「本当か?」
「本当ですよ。いや知り合いにそういう女性はいますけど」
玲子のことだ。しかし――
「でもその人と三角関係にはなってませんから。すっごく仲よし!」
浅田の表情はまだ神妙なままだ。
「それに三角関係の原因って言ったら……誰でもない、私に決まってるじゃないですか」
自分で言って、ちょっと落ち込む。
「……じゃあ、次行くぞ」
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