第二章 逆位置の〈太陽〉

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「空が黄色ですね。てことは……実り豊かな未来を約束してるってことだから、もしかしてセレブと付き合えちゃう?」  夏輝は指を組み合わせてはしゃいだが、 「……まあ、そんなところかな。いや恋愛相手ではなく、単なる協力者かもしれないが……」  浅田の反応はどこか歯切れが悪い。 「えー、どっちですか」 「そんなことより。この〈カップの3〉の逆位置を何とかしといた方がいいぞ」 「……三角関係だからですか?」 「まあそうなんだが。このままいくと、最終的に〈ソードの9〉になってしまう」 「どういう意味なんですか?」 「眠れないほどの、悲しみや後悔」 「ちょっ、何ですかそれ! 冗談じゃないですよ! どうして? 今の私、〈太陽〉の正位置なのに! 何がダメ!?」 「だから逆位置の〈カップの3〉と〈ワンドのクイーン〉のせいだろ」 「そんな! やだ怖いっ、何とかしてください! そうだ今回の助言は!? 浅田さんっ」 「落ち着けって。今回の対策カードは――」  浅田が一枚のカードを取って夏輝に渡した。 「これだ。〈恋人たち〉」 「わかった! 急いで恋人を作れと?」 「言うと思ったよ。全然違うからな」     
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