第二章 逆位置の〈太陽〉

38/38
前へ
/156ページ
次へ
 とにかく頭で考えずに、心のままにということか。 「そんでな……」  急に浅田の声が重くなる。 「前回の最終結果に出たカード、覚えてるか?」 「〈塔〉ですよね? 覚えてますよ、あんな禍々しいカード。……あ」  夏輝の目が一点で釘付けになった。〈太陽〉が正位置になったとか、三角関係どうしようとか、そんなことで見落としていたカードがあった。 「何で〈塔〉がまた出てるの?」 「それだけじゃない。出た位置をよく見ろ」  浅田が指差したのは、大十字の三時の方向。つまり最終結果の〈ソードの9〉よりは近い未来を意味するポジション。 「〈塔〉が、近づいてる」 .
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加