第三章 三つの聖杯といびつな宴

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 今夜も玲子と待ち合わせである。いつもの店へ行くと、すぐに玲子の姿が見えた。今日はカウンターではなく、珍しく小振りな丸テーブルの席にいた。  玲子さん、と声をかけようとしたが、一緒にいる人物の顔が見えて、夏輝は反射的に、 「浅田さんっ?」  そちらの名を呼んでいた。  振り向いた二人は、たしかに玲子と浅田だった。 「お前……っ」  浅田も夏輝の顔を見て驚いている。 「夏輝ちゃん、お疲れ。先に始めてたわよ」  艶っぽい「いい女オーラ」を放って、玲子がグラスを軽く上げる。 「何で浅田さんがいるんですか?」  浅田は夏輝から目をそらし、玲子をにらんだ。玲子はまったく気にしない様子で夏輝に説明を始めた。 「ごめんね勝手に呼んで。でも夏輝ちゃんが前に話してた占い生産者の浅田さんって、多分この人のことだろうなと思って呼びつけちゃった」  ニコニコと笑っているが、夏輝にはまだ状況が飲み込めない。 「え、お二人って、お知り合いなんですか……?」  口端が引きつるのを感じながら問うと、浅田はますます玲子をにらみつけた。だが玲子もまたますます笑顔を浮かべて、夏輝の問いに答えた。 「私と浅田、前に付き合ってたのよ」 「玲子!」     
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