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これならどうだ、と思ったのだが、浅田はまた腕組みポーズでうなっている。
「なにかお気に召しませんか?」
「ああ気に入らないな」
今度は何だ。
「占いはお告げじゃないって言っただろ。今後どうなりますかって聞いて、それでどうすんだ?」
「どうって、相性がいいか悪いか確認したいだけですけど?」
「それがダメなんだよ」
ビシッと夏輝の眉間めがけて浅田が指差した。
「お前とそいつの相性は最悪ですって言われたとき、素直にハイそうですか、じゃああきらめますサヨウナラってなんのか? 納得できんのか?」
「がっかりはするだろうけど……。あとはあきらめるか、もしくはまた他の人に占ってもらうか……」
「あーっ、違う!」
いらだった様子で浅田が頭を掻いた。
「まず一つ! たかが占いで言われたことを、真に受けてあっさりあきらめるってのが気に入らねえ! でもそれはその程度の恋愛だったってことだからべつにいいがな! だけどな、真剣だったにも関わらず、たかが占いを鵜のみにして好きなやつあきらめんだったら、お前は相当バカだ!」
「バカとは失礼な! ていうか浅田さん、自分でタロットやる人が『たかが占い』なんて、よくそんなこと言えますね!」
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