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SONGE:TENDERESSE
夕暮れ時の風に吹かれて、少女のブロンドの髪が煌めく。
「貴方って、時々とっても切なげな目をするわよね。私じゃ力になれないかもしれないけれど、話だけでも聞かせてくれないかしら?」
俺には微笑むことしか出来ない。
「そのお言葉だけで充分です。俺には、その思いやりを受け取る資格はございません。」
一陣の風が、俺達の足元に枯葉を運んだ。
「貴方はとっても優しいから。私も、何か力になりたいの。」
俺は少女の右手を握り、手の甲に優しくキスをした。
「ありがとうございます。」
あっという間に、日は沈みかけていた。
「さぁ、帰りましょう。ジャンヌ様。」
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