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「チエーロ、起きろ。」
「なんだよヴェルデ、まだ3時半じゃないか。」
「すぐに支度しろ。必要なものは全部このリュックに詰めろ。……もう二度と、ここには帰ってこられないぞ。」
「え……何で……どういうこと……」
「詳しいことは言えない。……頼む、俺の言う通りにしてくれ。」
「…………分かった。」
「ここを出た後は、このメモ書き通りに動いてくれ。それできっと上手くいく。」
「え?ヴェルデは、一緒に行かないの?」
「俺は……行けないんだ。すまない。……でも、きっとまた逢える。」
「……本当に?」
「ああ、大丈夫。……どこにいたって、俺たちは繋がってる。」
「…………分かった。僕、頑張るね。」
「そうだ、それでいい。お前ならやれる。……あと、これも持って行け。」
「カバンと、拳銃と……封筒?」
「カバンには食料とお金と、あと必要なものが入ってる。大事に使うんだぞ。封筒は……寂しくなった時、辛くなった時に開けるといい。きっと力になる。」
「分かった。」
「…………時間だ。行ってこい!もう、振り返るんじゃないぞ!」
「……また逢おうね!ヴェルデ!」
「あぁ!きっとだ!きっと逢える!」
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