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夕食を食べに行こうと言うと、サシャは夕食を作ると言い出した。
そして二人で近くのスーパーに買い物に出る事にした。
カリーニングラードは独自の食文化を持っていない地域で、それは過去の暗い歴史によるモノでもあった。
ロシア、ポーランド、ドイツ、色々な国の領土となる事を繰り返し、色々な文化が入り混じった地域であり、そのために独自の文化が発達しなかったのだろう。
買い物籠に食材を入れるサシャの後ろ姿を見て、楽しく思えた。
美しい彼女の姿を見て、スーパーの客や店員が振り向く。
それほどに彼女は美しかった。
食材の入った袋を二人で持って、部屋に帰るとサシャはキッチンに立ち、慣れた手つきで料理を始めた。
サシャもロシア的なモノを見せたかったのか、ソーセージが沢山入ったポトフと焼いたチキンのステーキが出来上がった。
不格好に切られたバケットがテーブルの真ん中に置かれ、二人分の料理が並んだ。
「美味しそうだな…」
私は冷蔵庫からビールを出し、サシャにはジュースを入れると食卓に着いた。
手を合わせて、
「頂きます」
と言うと、それを真似てサシャも、
「イタダキマス」
と手を合わせた。
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