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サシャにベッドを譲り、ソファで寝る事にした。
最後までサシャは自分がソファで寝ると言っていたが、
「ベッドに寝ないならホテルに泊まってもらう」
と言うと渋々ベッドルームへ入りドアを閉めた。
ロックグラスにグランツを注ぎ、バルコニーに出てタバコを咥えた。
サシャの干した服が夜風に揺れている。
すっかり乾いているが、女性の衣服を取り込むのもマナーに反する気がしてそのままにしておいた。
タバコを消して、部屋に戻ろうと振り返ると、そこにはパジャマ替わりに渡したワイシャツを着たサシャが立っていた。
「どうした…」
サシャに微笑む。
サシャはゆっくりと私に近付き、抱きついてきた。
そのサシャの肩を抱いた。
そしてソファに座らせるとサシャはキスをした。
街の明かりだけが差し込む部屋で、サシャの頬に手を当てて、首を横に振った。
サシャは恥ずかしそうに微笑むと立ち上がって部屋に戻って行った。
テーブルに置いた氷の溶けたグランツを口に含むと、そのグラスで額を冷やした。
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