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サシャに送金があるまでの数日、私とサシャは一緒に暮らした。
その日々は本当に楽しく、現実を遠退ける時間だった。
サシャ用のエプロンを買い、食事や掃除、洗濯までもサシャがやってくれた。
サシャの下着と私の下着が並んで干してあるのを見て少し照れ臭かった。
その日、二人分のステーキを焼き、食卓に並べた。
「サシャ。飯、出来たよ…」
サシャを呼んだ。
そしてベッドルームにいるサシャに声をかける。
「サシャ…」
ノックしてドアを開けると、サシャは浮かない顔をしてそこに立っていた。
「どうしたの…」
私の問いにサシャは首を横に振った。
そしてニッコリと微笑むと、
「オ腹、ペコペコデス」
そう言って食卓に向かった。
赤ワインを出し、グラスに注ぐ。
するとサシャもワイングラスを出して来た。
「私ニモ下サイ…」
サシャのグラスにも少しだけワインを注いだ。
サシャは頬を膨らませて、
「私モオ酒クライ飲メマス」
そう言った。
私は微笑んで頷き、私のグラスと同じ高さまでワインを注ぐ。
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