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サシャは携帯を取り耳に当てて歩いて行く。
私はサシャと逆の方向へと歩きながら電話をかけた。
「私だ。サシャ・クロワノフがカリーニングラードへ帰る」
私はそれだけ言って電話を切った。
「私よ。あの男はフライではないわ…」
サシャ・クロワノフは振り返り、私の背中を見ながら微笑み、流暢な日本語でそう言った。
滑走路から飛び立つ飛行機を彼女にもらった琥珀に透かした。
そして夏の青い空を見上げた。
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