蒼天葬送曲

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ある日、私がいつものようにお気に入りの場所を散歩していると、二人を見かけた。 なんとあの人が彼を弾いている。まるで踊るように、生きていたときの私みたいに。 楽しそうに踊る二人の頭を見ながら、何だか胸の奥が暖かくなるような、そんな気がした。 二人の音楽が止まった時、突然風が吹き、舞う花びらが私の元まで上がって来た。 ……ああ、春が来たんだな。 二人の「合奏」は、いつまでも、いつまでも終わることは無かった。
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