円環

10/15
前へ
/19ページ
次へ
彼は、人間だ。 どうしようもないくらい、誰に否定されたって、確かに心を持った人間なのだ。 それを、私は物のように扱って、研究データを取って、過去に葬る立場にある。 それなのに。 それなのに彼は、笑顔で赦してくれるという。 自分の運命を受け入れて。 ただ、ただ、静かに笑った。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加