第1章 始まり

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「あのー聞いてますか?」 「え?あー、願いですよね?そうですねー」 どんな願いを叶えようかと二ヘラっと笑ってる要であるが、あることに気づいた。 「ちなみにどうやって願いを叶えてくれるんですか?」 「そうですね、説明してませんでしたね。 それはですね、不思議な力です。」 「不思議な力?それはどういうことですか? ビームが出たりとか、マジカルステッキとか、白い猫が出たりとかですか?」 「そこまで大それたことはできませんが、要するにですね!」 「ちょっと待った!」 スマホの画面に両手を突き出し、ちょっと待ったコールをかける。 「その話って長いですか?」 「長いですよ?」 首に向かってチョンチョンと人差し指でアピール。 第2の現代病スマホ首である。 「わかりましたよ、堪え性の無い男ですね。」 「いや、こればっかりは。しょうがないから耐えるけどさ。」 「大丈夫です、ちょっと待って下さい。」 その瞬間スマホの画面から光の線が現れ、 どこからともなくスモークが出てくる。 「スモークはいらんくね?」 「演出です。」 煙のなかから現れたのは、画面の中にいたミリエーヌがホログラムとして立体的に出てきている。 「そんなこともできるんだ。」 「そんなこともできるんですよ、これで首は大丈夫だと思います。さあ、話を続けますよ。」 ミリエーヌはスカートをヒラリとたなびかせる、そこから光の粉が舞い。光の粉が形を作る。 「こちらの指輪をはめて下さい。」 「どこでも良いいんですか?」 指輪を左手の薬指にはめる。 「いや、そんなところにはめたら色々面倒ですよ?それこそいつか魔法使えるようになっちゃいますよ?」 しぶしぶ、人差し指にはめ直す。 「着けたけど、こっからどうしたら良いの?」 「願いを唱えて下さい。」 「決めポーズは入りますか?」 ミリエーヌは呆れ顔で言う。 「関係ないですけど、お好きにどうぞ」 要は天高く、指輪をはめた右拳を掲げた。 「ウォーター!!」 ざばーー! どこからともなく、要の頭上から水。 そう、ウォーターが降りかかってきた。 「危なっ!なにしてるんですか!あと少しで私ショートするところでしたよ!」 ホログラム内で必死に水を避けようとした姿のミリエーヌが切れる。
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