病気

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病気

 私は、自分の声で目を覚ました。  ああ、どうしたんだろう、昔の事を夢で見るなんて。最近は昔の事なんて、ぜんぜん考えもしなかったのに………。  やっと抜け出したと思ったのに。夢で見るなんて………。何がいけないんだろう。  考えても何も思い浮かばない。  昔。まだ私がこの病気になった頃。私は夢の中の私だった。自分でもどうして良いのかわからず、そこいらじゅうに当たり散らしていた。まだ幼かった私は、親に先生に云われても、説明されても理解できずにいた。ただ入院していれば治るからと云われても、暗い中、独りで居るのが怖かった。  最初はすぐに退院できると思っていた。だから、私は我慢していた。病気の事も、暗い中独りで居るのも。でも、それが1ヶ月経ち半年経ち、一年が過ぎる頃には私もう退院できないのではないかと、思えてきた。  親はすぐに退院できると云うけれど、なかなか退院は出来なかった。  そして、行き場のない気持ち。  押さえ混んでいたものが溢れだしていった。
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