いいバイトみっけ!

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いいバイトみっけ!

「なぁ、いいバイト無い?」 「ないよ。こんな不景気で、いいバイトなんかあるわけないじゃん」  前のファーストフード店のバイトでトラブルを起こしてクビになった俺。  今は無職で、前のバイトの時に知り合った友達に、仕事を見つけるのを手伝ってもらっている。 「だいたい、条件がなぁ……って!」  友人があまりの衝撃に、後転した。 「ん? いいのあった?」 「あったも何も、これ読んでみろよ!」  差しだされた求人雑誌の一部を読んでみた。 「なになに? 日給一万! しかも資格いらないじゃん!」 「な、すごいだろ? これにしちゃえよ」 「ありがとっ。マジで助かったわ」 「いいよいいよ。俺はこれからバイトだから。じゃ、面接、頑張ってな」 「おう。じゃあな」  こいつはいいバイトを見つけた。  詳しい事は電話でって書いてあったから、とりあえず電話してみよう。  番号を打って、わくわくしながら相手が出るのを待つ。 「……はい」  男性の低めの声だ。 「あ、あの、求人雑誌でバイト見たんですけど。詳しい事が聞きたいのですが」 「はい。内容は、見張りです」 「えっ、見張り?」  なんだか怪しげだが、とりあえず話は聞いてみる。 「ええ。あなたは、指定された人物をずっと見張っていただきます」 「は、はぁ」  探偵の助手みたいなものか? 「もしもその人物がどんなに小さな犯罪でも起こした場合、それを捕えていただきますと、出来高として少し上乗せさせていただきます」 「マジで? あ、やります。明日からでもやります!」  日給一万+出来高かぁ。やったぁ!  今の気分は、最高を通りこしている。 「ありがとうございます。では、明日の正午、四丁目の剣辰屋で面接という事で」 「えっ、そこはちょっと……」  実は、前に働いていた店が四丁目の剣辰屋なのだ。ちょっと気まずい。 「…………」  何の反応もないため、しばらく沈黙が続いた。 「いえ、なんでもないです」 「それでは後ほど」  ブチッ!  まぁ、とりあえず面接頑張ろう!  決意と共に、床についた。
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