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六人で打ち上げに行った先は、虹色キャラメルの雨野雫のバイト先で、酒を飲みながら色んなことを話した。雫と、雫の相方である中島真杜は先に帰ってしまい、次いで白井の相方である武内も帰り、最後に残されたのは木津と木津の相方である更科と、そして白井だった。
(確か白井が酔っぱらって、泣き喚いて……家も知らんからいうて、俺とさらが泊まってるホテルに連れてきて……)
タクシーに白井を押し込んで、このホテルへと帰ってきた。
『きづさーん! きづさんといっしょがいーいー!!』
更科とは別に部屋をとってあって、白井をひとりで寝かせようと更科が部屋を譲ろうとしたのだが、白井が木津から離れなかったのだ。
(で、俺の部屋に入れてやって……そこから? それから?)
木津はその先を思いだすことが、どうしてもできない。
「あかん。とりえず服着よ。寒い」
もう秋も終わりに近付き、朝方は滅法冷える。ベッドの下に落ちている下着をとろうと、木津が手を伸ばした時、もう片方の腕を強引に引かれ、木津は再びベッドに寝転がる形となってしまった。
木津の腕を引いたのは当然白井で、そのままぎゅっと抱きすくめられてしまい、甘ったるい香りがまとわりついてくる。
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