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止まる
その日、朝から強い日差しが照りつけていた。
蝉の鳴き声がやけにうるさい…
早く逢いたい、一度しか会ってない人なのにこんなにも気持ちを乱されるなんて…
車を走らせる。
高速をひたすら飛ばした。夏の日本海を横目にアクセルを踏み込む。
約束の場所に着いた。
早すぎた…しばらくして、彼も来た。
彼「乗ってーどこ行く?」
私「この辺、土地勘無いからわからないよ」
しばらく車を走らせたら、古ぼけた鳥居が見えた。木々がうっそうと繁っていてので、真夏にもかかわらず涼しく感じた。
歩いていると、彼との距離が近くなって身体が熱くなるのを感じた。
時間が止まった…
夕方、もう帰らないと。
二人で空を見上げた時、こんなにも夕陽が綺麗なんだと…泣けてきた。
帰りの高速から見える日本海は、薄明かりの中でもキラキラしていた。
帰ろう…家に
何事も無かったかのように平然を装って生活することがこんなにも、辛く、切ないなんて…
ふと空を見上げることが多くなっていた。
二人で見たあの空を…
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