仕事の中身

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食後には服薬。 そして歯磨き。 これを嫌がる人も多い。 お年寄りの中には歯磨きの習慣の無い人もいるから。 ここは100才を超えている人も何人もいて、その人たちは今の私たちとは全く違う文化で生きてきた人たちで。 だからこそ、大変なのだ。 口腔ケアの終わった人から30人全員のトイレ。 殆どの人は、リハビリパンツ(尿もれ用の紙パンツ、通称リハパン)か、紙オムツ(テープ留め)を着用している。 この呼び名は特に紙オムツの人に屈辱感を与えない、自尊心を損なわない為のものだそうだ。 車イスでトイレに連れて行って、トイレに座ってもらう。 歩ける人は声掛けをして自分で行ってもらう。 両手を引いて連れて行く人もいる。 車イスの人の中でも、立たせれば自分で支えを持って立っていられる人。 自力では全く立てない人。 少しの間なら支えを持ってかろうじて立っていられる人と、様々な状態の人を車イスから抱えた状態でズボンとリハパンを下ろしてトイレに座らせる。 その人がトイレに座っている間に、他の個室のトイレの終わった人の陰部を拭いて、リハパンに新しいパットを当てて履かせて、ズボンを上げ車イスに乗せて、食堂に連れて行く。 トイレでズボンとリハパンを下げた時点でお漏らしをしている人も少なくない。 尿が尿取りパットだけで済んでいればラッキー。 パットだけを交換する。 それでも、まだ出るかもしれないからそのままトイレには座らせておく。 パットだけでなくリハパンまで濡れていれば取り替える。 ズボンまでビチャビチャなら、総取っ替え。 部屋まで着替えを取りに行ってズボン、靴下、ズボン下、リハパンの全部を脱がし、着替えさせていく。
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