14人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
初日の仕事が始まった。
初めての仕事で分からない事だらけ。
午前中は、主任の結城さんが備品置き場や仕事内容なんかを細々と教えてくれた。
必死にメモを取るけれど、全然追いつかない。
かなり広い職場で設備の全部を見終わって説明を聞いていたら、もうお昼だった。
食事休憩の様子が分からなかったから、今日はコンビニでおにぎりを一応2個買って来ていたけれど、ビビリで人見知りな私は、極度に緊張していて食欲は全く無かった。
無理やり1個だけ口に入れてお茶で流し込んだ。
午後からは、実際に仕事をしてみようとの事だった。
右も左も分からずに、指示された事をやっていたら、私のすぐ後ろにいたオバちゃんが「あんた、何ぼんやり突っ立ってるの?邪魔よ!」と、怒鳴ってきた。
思わず「えっ?」と振り返ると、「ちゃんとまわりを見てなさいよ。そこにいたら邪魔だって分からないの?」
「あ、す、すみません…」
初めての職場で初めての作業で、周りなんか見てる余裕はなかった。
その日は、そのオバちゃんから5回以上は怒鳴られた。
それは、必ず2人きりで他には誰もいない時だった。
最初のコメントを投稿しよう!