それはイジメだった

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「もしかしたら大島さんの事かな?」 「…!!」 「やっぱり? あの人、すぐに新人をイジメるんだよね…。ごめんね。でも、あの人の事は気にしなくても良いから。」 そう言われても、怒鳴られるのに気にしないとか無理なんだけど…。 ってか大島さんの事、分かってるのに何にもしてくれないんだ。 「何か言われたら、そう言う指示は僕から受けてないから、って言ってくれて良いから。」 「あ…、はい、分かりました。そう言ってみます。」 なんとか、それで良い方向に向かえば良いけど…。 そして大島さんに怒鳴られたら、「結城主任からは、そんな指示は受けてません。」って言おうとするんだけど…。 タイミング悪くすぐに誰かが来たり、「さっさとしなさいよ!!」って急かされてしまって私は全く言い返せずにいた。 一方的に怒鳴られて、慣れない上に体力勝負な仕事で毎日ヘトヘトに疲れてた。 まだまだ夜勤とか出来なくて日勤ばかりだから、勤務時間は大島さんと被ってしまう。 毎日10時間労働、休憩は昼に30分、夕方に30分の合計1時間。 常に早足で歩いて施設の入居者さん達とゆっくりと話をする時間も無い。 そんな毎日の中で繰り返される暴言、嫌味の数々。 慣れない環境での過酷な職務に1日と言う時間はあっと言う間に過ぎていくけれど、私の身体と心は擦り切れていった。
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